何をAIに頼めばいいか分からないときの入口

何をAIに頼めばいいのか、見当がつかない。頼んでみても、これで合っているのか、自信がない。

そう迷うのは、珍しいことではありません。東京都の職員アンケート(2023年10月)では、「どのような業務に活用できるのかわからない」などの理由で、まだ使っていない職員も多くいました。

だから、うまい頼み方を考える前に、手元の作業を1つだけ選んで、短く頼むところから始めてください。

頼む作業が決まっていないと、AIに入力する内容も、決まりません。

作業を1つに絞れば、入力する内容が決まり、返ってきた内容も、その作業に照らして確かめられます。

このページを先に読む理由は、AIを開く前に、頼む作業を決めておけるからです。

最後まで読むと、きっと、自分の止まっている作業を1つ選んで、明日の朝のメールのような場面で、試せるあなたになっているでしょう。

私は、「何ができるか」を思い浮かべるより、いま手が止まっている作業を探すところから始めるのがよいと考えています。

理由は、止まっている作業には、頼む内容がすでに決まっているからです。止まり方ごとに、最初の一言の例を並べます。

  • 書き出しで止まる:「取引先へのお礼メールの下書きを作ってください」
  • 長くて読めない:「この文章を、3つの要点にまとめてください」(このあとに文章を貼る)
  • 言い方に迷う:「この説明を、やさしい言葉に言い換えてください」
  • 頭が散らかっている:「何から考えればいいか、順番を出してください」

文章を貼るときは、お客様の名前など、個人が分かる情報は入れません。理由は、「AIを使いたいけど不安な人の入口」に書きました。

どの例も、きれいな頼み方でなくて構いません。まずは、頼む作業と、貼る文章だけで始められます。

条件は、あとから足せます。

東京都の事例集は、活用事例を、企画・アイデア出し、文案作成、要約、メール作成などの用途に分けて載せています。

自分の仕事で、いま手が止まっている作業を、1つ選んでみてください。

東京都の事例集の、庁内の画面の説明です。プロンプト(AIへの指示の文章)を、5回まで連続して入力できます。

その説明で、複雑な処理は一度で行わず、1つの指示に入れる内容は一つに絞って、複数回に分けて入力するよう示しています。

最初の一言も、頼む作業は1つだけにしておくのがよいと思います。

たとえば、メールの下書きなら、まず本文だけを頼み、件名や言い回しは、あとで頼みます。

東京都の事例集は、条件を示さず漠然と入力するだけでは、求める回答は得られない、と説明しています。

そこで、最初に立場・AIの役割・目的・出力形式などの必要な情報を示し、そのあと追加の質問や指示を重ねて、回答を整えていく方法を示しています。

一方で私は、止まらずに始めることを優先して、最初の一言は短くてよいと考えています。

足りない条件は、返ってきた答えを見てから足しても、遅くはないと思います。足し方の例は、「毎回うまく返ってこないときの入口」にあります。

明日の朝、会社で、取引先に送るメールの1通目で手が止まったとします。AIを開いて、お礼メールの下書きを、1つだけ頼みます。

返ってきた下書きを読み、直したい所を1つだけ指示して、送り直します。

東京都の事例集は、東京都職員の業務について、AIの回答はそのまま使わないよう示しています。

自分で内容が適切かを確認し、必要に応じて手を加えてから使う、という内容です。

手が止まっていない日は、今のやり方で足りているなら、それも一つの正解です。

  • 東京都デジタルサービス局「都職員のアイデアが詰まった文章生成AI活用事例集」(2024年1月):PDFを開く

本文の東京都の記述は、事例集の4〜9ページ(1-1〜1-5)にあります。確認日:2026年10月14日。

冒頭の、なぜそうなるかの説明は、このサイトの考えです。公的な資料で確認できる部分には、出典を書いています。

この事例集は、2024年1月の、東京都職員向けの資料です。庁内の画面の説明も、当時の環境のものです。

事例集には、状況に応じて改訂する可能性がある、と書かれています。最新の内容は、東京都デジタルサービス局のサイトで確認してください。

「止まっている作業から決める」「1つだけ頼む」「最初の一言の例」「最初の一言は短くてよい」「条件はあとから足してよい」は、このサイトの考え方です。公的な基準ではありません。

特定のサービスの名前や、機能の違いは、このページでは扱いません。

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